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Leica Oskar Barnack Award 2016 : Report

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<Leica Oskar Barnack Award 2016>
9月にベルリンで行われたLOBAのセレモニーに参加してきたので少しばかりレポート。

LOBAは1980年から続くProfessional向けの権威ある国際コンペティションとして有名ですが、
今回はそのファイナリストのエキシビションと授賞式がベルリンで正式に行われる回でした。
ベルリン・ミッテ区にあるギャラリーでファイナリスト12名の作品展示をプレビュー、
その後、徒歩圏内のVilla Elizabethにて授賞式およびアフターパーティという流れでした。

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まずはギャラリーでの展示へ。
インスタレーションは写真家毎に異なり、ギャラリー自体も華美な雰囲気はなくコンパクト。
魅せ方自体もシンプルでした。
アートとしての写真との付き合い方の文化的な違いと時代の変化もあるかもしれませんが、
1枚ずつ重々しく飾るのではなくわりとあっさり。
LOBAのファイナリストの展示にしては 「やや質素」 な印象を抱く感じでもありましたが、
あまり華美でも 「写真」 にとっては違和感を抱いていたような気もするのでちょうどいいのかも。

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製品ではなく写真だけにフォーカスするイベントに力を入れる点は、
ライカが背負った写真に対する意識の高さと使命感を感じざるを得ません。
さらにはこういった背景が巡り巡って製品理念に反映されるのだと思うと、
僕がライカを使う理由もスペックや目に見える数字的要素ではなく、
この辺にある訳だと改めて納得できます。

肝心の作品について。
ドキュメンタリーとポートレートのハイブリッド構成が主体。
どれも脳天を貫かれるような感覚ではないけれど、構成は見事なものが多い。
わかりやすく言うと、悪い意味ではなく家に飾りたい作品ではないタイプの作品達が多い。
感覚的な美的要素に依存する「1枚」ではなく、「プロジェクト」として説明ができる群構成。
これは日本と世界の違いかなといつも感じる点で、良し悪しではなく、意識しないといけない点。
このアワードを撮るにはこれ用に制作しないといけないのだろうなあと改めて感じました。

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しかしいずれにせよ、群れずに世界で戦う写真家はやはり知的な人が多く格好いいものです。
それを取り巻く空気と、現代の写真のひとつの潮流を肌で感じる事ができる貴重な機会でした。

Yasuhisa Ishii
by summilux55 | 2016-12-15 22:55 | info | Comments(8)