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沖縄 Winter Monochrome


少しだけ冬の沖縄へ。
撮りに行った訳ではないので機材はタイトにまとめるつもりだったが、結局出発前日の夜中まで悩んでしまった。そうやって悩むのは毎回の事だし慣れたものだが、いつか機材選択で悩まずに旅立てる潔い男になりたい。とりあえず来世の目標にしておく。

結局、Mボディ2台とMレンズ3本で旅立った。
まったくタイトではない。
その代わり今回はいつもと少し異なる体制にしてみた。
ボディはM(Typ240)とLMMの2台。
レンズはF1.4縛りで21.35.50mm、それぞれ非球面、手磨き非球面、球面で構成した。



沖縄と言ってもさすがに冬は暑くはない。
しかし陽が出ていれば本島で冷え切った身体には半袖でも暖かいくらいに感じられる。
実際暖かい日は半袖で過ごしていたがとても快適だった。
窓枠とともに見る海辺はまるで1枚の絵画のように佇んでいた。



そうは言っても海には入れないので、車を走らせ山側に行ってみた。
こんな時は山間の大自然の中でひっそりと佇むカフェで沖縄コーヒーを楽しむのがいい。沖縄で飲むコーヒーをただ勝手にそう呼んでいるだけなのだが、それでもその素晴らしい環境のおかげで何だか美味しく感じてしまう。こういう時は豆がどうとか小難しい事は考えずに環境に流されて美味しく感じている方が幸せだと思っている。キャンプ場で一晩明かした翌早朝にテント脇で啜るインスタントコーヒーが最高に美味しいのと一緒だ。でも調べてみると名護コーヒーなるものが存在するようだ。次回訪れたら探してみよう。



店主のお願いが逆光に乗り淡く伝わってくる。
ここは連なる隣の家屋の屋根に乗り移れるような構造のテラスが2階にあるため、つい屋根瓦に置かれた大小多数のシーサー達に手を伸ばしたくなる気持ちはわかる。ただ抜け落ちそうな屋根瓦なのは見た時から思っていたので、この貼紙をみつけた時には素直に同意した。



写真を撮るという側面では、旅先ではいわゆる定番観光地にはあまり興味がない。
しかしそうでない場合は定番には定番の良さがある。
とか言いながら主役のジンベイザメを撮らないあたり、僕が天の邪鬼と言われる所以。(正確には、本当は撮ったけど表には出さないだけ。)



こういう愛おしい時間には限りがある。
だからこそ写真としてこの時間を切り抜いておきたい。
できれば好きなライカで残したい。
いつか大きくなった子どもが見たときに、 "パパ、黒くて皆の顔が見えないよ" って言われるのだろうが、その時にはシルエットという概念を教えてあげよう。



おそらく人類が裸で獣を狩りながら生きていた時代から、夕暮れ時は手を止めこうして海岸で夕陽を望んでいたのではないかと思う。水平線に沈みゆく夕陽を静かに見ていると、何となく心の奥底がザワザワとする事がある。まるで遥か遙か昔からDNAに刻まれた夕陽への感情という情報がほんの少し反応するような、微かに温度を纏った感覚。

たった2歳の娘がこの夕陽を見て "悲しいね" と呟いた。
その単語を使うのも、夕陽を見て感想を言うのも初めてだったので驚いたが、明らかに夕陽を見ながら感想を述べていた。このときもしかしたら彼女のDNAに刻まれたそれが反応していたのかもしれない。
-------僕も夕陽を見ると少し悲しい気持ちに時があるんだ。そう、君は僕の子だから、同じ記憶を少し共有しているかもしれない。でもまだ君には難しいからわからないかな-------


冬に見る沖縄の夕陽はとても美しく、そして少し暖かい気持ちにさせてくれた。



# by summilux55 | 2015-01-14 23:23 | Comments(6)

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